20160911日本経済新聞朝刊 起業と口座開設、ネットで一体手続き

みずほ銀など

みずほ銀行はクラウド会計のfreee(フリー、東京・品川)と連携し、インターネット上で会社設立と法人口座開設手続きを一体化する新サービスを始める。起業の手間を大幅に減らしてベンチャー企業を支援する狙いで、メガバンクでは初の試みとなる。

解説

みずほ

みずほ銀行が会社設立と同時に口座も開設できるサービスを
はじめるという話題です。
起業の手間を省いてくれる素晴らしいサービスですね。
ベンチャー企業の支援をする狙いがあるということで
個人や小さな団体が会社設立するの時の心強い味方になってくれそうです。
今回は塾のテーマらしく「起業・法人化」について解説します。

起業と法人化

起業

起業する=会社設立と考える方が多いと思いますが
これは間違いです。
会社設立しなくても起業できます。
いわゆる個人事業主という形態ですね。
あえて法人化せず、個人事業主でずっとやるという
選択肢ももちろんあって
それこそ1人で独立して仕事をやっている方などは
法人化するメリットがなければ
必然的にそうなります。
というか大きな資本を持っていない
個人や小さな団体が起業する際に
いきなり法人化するメリットはあまりありません。

現状はこうなのに
世の中では起業=会社設立のイメージが大きくつきまとい
この間違いが「起業しにくい」イメージを作りあげていると思います。
極端な話、今この瞬間起業すると思えば
誰でも起業家になれるということです。

法人化のメリットって?

でも結局は仕事が軌道に乗り、事業が大きくなると
みんな「法人化」にいきつきます。
それはなぜなのか。

①社会的信用の獲得

信頼

個人事業よりも法人の方が信頼があります。
最近はフリーランスの方も増えており
その人の技術や実績があれば信頼され
安定的な取引ができることもありますが
やはり世の中的には法人を重要視する傾向があります。
銀行からの借り入れは個人よりも法人の方がしやすいですし
高額な取引となると個人事業NGという会社もまだまだあります。
事業が拡大すればするほど会社の肩書の部分で
大きな足かせを背負ってしまう可能性があるので
ある程度将来性が見えたら法人化すると考えるケースが多いです。

②税金面の優遇

源泉徴収

いわゆる節税という部分で大きな恩恵があります。
一般的には年間所得が継続的に500万円を超える水準になれば
法人化したほうが有利だと言われます。
税務上のメリットは以下3つがあげられます。

○所得税と法人税の税率の差

個人事業の所得税は累進課税のため
所得が増えれば増えるほど税率が高くなります。
そのため法人化したほうが有利になるラインが存在します。
例えば
年間2000万円利益が出た場合
個人事業の場合、ほぼ半分税金で徴収されます。
ところが法人の場合だいたい40%ぐらいです。
10%の差は金額にすると200万円です。
法人化手続きの手数料と税理士依頼料を考えても
十分なお釣りが来る金額ですね。

○家族への給与

個人事業では原則的に家族へ給与を支払えません。
(青色申告した場合のみ認められる)
法人の場合はそのような制限がないので
実際に事業に従事していれば家族に自由に給与を支払うことができます。
所得を分散して経営者の所得税住民税を節税することができます。

○経費の幅が増える

生命保険や自宅兼事務所、自動車、退職金など経費として
認められる範囲が広くなります。

※経費について
わかってそうでわからないところなどで
一応説明します。
まず大前提として建前上
会社の利益は会社のもので社長のものではありません。
なので利益を私的に使うことはできません。
経費
例えば年間の売上が1000万円あるとします。
人件費や原材料費が800万円かかったので
会社の利益は200万円です。
法人税を40%と収めるとすると
手元に残るのは120万円です。
ここでわざと経費を増やします。
機械の導入や社用車のリース(購入)など
王道なものでもいいですし
自分の服や飲食代などの個人利用の費用を、
会社の経費として計上することもできます。
そうやって経費を200万円上乗せすれば
利益が0円なので法人税もかかりません。
それなのに自分は200万円分のものやサービスを
自由に使うことができるというわけです。
これって会社の利益を自分の懐にいれる
錬金術なんですよね(笑)
しかも経費はその年ではなく
複数年継続して認められるものがあります。
それを使えば来年度をマイナススタートではじめることができ
より節税しやすくなります。
芸能人やプロスポーツ選手が個人事務所を立ち上げるのは
こうした節税対策を意図しているケースが多いです。

3.融資や資金調達のしやすさ

お金8

個人事業の場合、金融機関から融資を受けようとすると
保証人を要求されるなど、条件が非常に厳しくなります。
一方法人の場合は選べる幅が広くなり
様々な融資の可能性を得ることができます

4.決算を自由に決められる

決算
個人事業の場合、1~12月が事業年度と決められていますが
法人の場合は決算月を自由に決めることが可能です。
月によって売上がばらつきがある場合などは
決算月を戦略的に決めることで
計画的な経営や節税効果をより高めることができます。

5.相続税がかからない

遺言書個人事業の場合、経営者が死亡するとすべての財産が相続税の対象となりますが、法人の場合は、会社の所有財産に相続税がかかりません。
多くの富裕層が不動産や財産の管理会社を所有するのはこのメリットのためです。

デメリットは?設立の費用は?

ビル
もちろんあります。
法人化すると売上があるないに関わらず
必ずかかるランニングコストがあります。
法人住民税の均等割です。
これが毎年7万円ぐらいかかります。
また社会保険への加入が義務付けられるのため
従業員が増えれば増えるほど
会社への負担は大きくなります。
また会社をやめたくても事業の廃止の費用が
最低でも5万円ほどかかります。
つまり背負う金銭的な負担が個人事業主よりも重くなる。
そこがデメリットと言えます。

費用に関して言えば
合同会社を作る場合
すべて丸投げしても20万円ぐらいです。
自分でやれば半額ぐらいで済みます。
資本金の制限もないので
資本金1円での起業も可能です。
(そもそも資本金は口座にお金が入っていることが
確認できればそれでOKなので一時的に自分の貯金を入金して
資本金とすることもできます。その後すぐに引き出しても問題ありません。)

まとめ

起業2

結論として起業したい方は
個人事業主としてはじめることをおすすめします。
個人事業主と難しい表現をしていますが
要は何かやりたいことがあれば
いますぐにでもやったほうがいいということです。
例えば手先が器用なことを活かして
ハンドメイドで小物を作ってオークションなどで売る。
PCスキルがあるなら
知人のPCの設定やトラブル解決をして少しばかりの報酬をもらう。
その規模にかかわらず実践すればどれも立派な起業です。
資本(お金)がなくても
今始められることはたくさんあるってことですね。

法人化の説明をしておきながら
法人化をすすめないという逆説的な内容になりましたが
ビジネス起業塾において
重要な内容なのでしっかりと理解していただければと思います。

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