20160831日本経済新聞朝刊 欧州委、アップルに最大1.4兆円追徴

税優遇「違法」

20160831欧州連合(EU)の欧州委員会は30日、

アイルランド政府が最大で130億ユーロ(約1兆4800億円)の

違法な税優遇を米アップルに与えたとして、

過去の優遇分や利息を追徴課税で取り戻すよう同国に指示した。

欧州委が追徴課税を命じた額としては過去最大。

アイルランドは不服としてEU司法裁判所に提訴する構え。

EUは税率が極端に低い租税回避地(タックスヘイブン)を使った

多国籍企業の租税回避への監視を強めている。

解説

タックスヘイブンって聞いたことありましたか?
今年4月にパナマ文書が公開され
世界規模のスキャンダルと言われていましたが
日本ではあまり盛り上がらず
何の事かわからない方も多いと思います。
今回はTVが報道しない(正確には報道できない)話ですので
しっかり理解していただければと思います。

そもそもタックスヘイブンって?

wikipediaでは
「一定の課税が著しく軽減、ないしは完全に免除される国や地域のことである。
低課税地域、租税回避地とも呼ばれる。」
と定義されています。
タックス=税
ヘイブン=避難所
という訳になります。

所得に対して税金を納めるというのは
世界の常識です。
この中で働いている方がいれば
その全員がもらったお給料から
国に税金を納めています。
当然のことですね。
もし何らかの形で細工をして
本来収めなければいけない税金を
収めなければ脱税となり
追徴課税などペナルティを受けます。

しかしごく一部の国では
所得税や法人税がない国があります。
これらの国がタックスヘイブンです。
例えばケイマン諸島いう国があります。
キューバやジャマイカの近くにあり
カリブ海に浮かぶ人口4万人程度の小さな国ですが
税金などがまったくかかりません。

そこに目をつけたのが
世界の大企業や富裕層です。
ある画期的な手法で税金逃れを実現しました。
仮にケイマン諸島で仕事を作って
(例えば起業であれば現地で工場を建設、稼働)
税金を抑えようとしても
関連会社であることはバレバレですし
国税当局に指摘指摘されます。

そこで自分とは全く関係ない
ペーパーカンパニーを作るという方法を取ります。
見せかけの会社や団体をタックスヘイブンに作り
そこに送金することで
関係のない会社への支出という名目で
資金を移動させることができます。

具体的な仕組みについて

例えば「株式会社たらぎ」という会社があるとして
そこが1億円の利益があったとします。
法人税の税率は会社の規模(資本金の額)によって異なりますが
1億程度の利益であれば中小企業といえるので
その税率である15%と設定します。
その場合「株式会社たらぎ」が支払う税金は
1500万円です。
手元に残るお金は8500万円となります。
ここでタックスヘイブン利用します。
ケイマン諸島にある「ケイマンブラザーズ」と
いう会社と取引があり
1億円の支払いをしたということにします。
そうすると法人税は利益に対してしかかからないので
0円になります。
もちろんケイマン諸島には法人税がありませんので
「ケイマンブラザーズ」は税金を払わず
1億円まるまる手にすることができます。
「ケイマンブラザーズ」は
「株式会社たらぎ」が作ったみせかけの会社なので
結局は「株式会社たらぎ」が
1500万円の税金を払わずに済むことになります。

何が問題なの?

結論から言うと法的には何も問題ありません。
いわゆる節税行為となります。
でも考えてみてください。
世界の大企業や富裕層がこぞって
節税に励み、莫大な富を築いているのに
私たち庶民は国家からの強制的に増税に耐え
せっせと税金を納めています。
これって道義的にどうなの?って話です。

タックスヘイブン2
消費税の増税や、社会保障の問題で増税を余儀なくされてる中
日本の企業や富裕層は払うべき税金を払っていなかった
といっても過言ではありません。
例にあげたケイマン諸島だけでも
日本の企業や富裕層は55兆円の租税回避を行っていた
と言われています。
ちなみに日本の税収は50兆円に届かないぐらいですので
これがいかにシャレにならない額かがわかるかと思います。

パナマ文書って?

パナマ文書とはパナマにある「モサック・フォンセカ」
という法律事務所のPCがハッキングされてことにより
流出した機密文書のことです。
その機密文書には世界各国の企業、個人の
租税回避の証拠がぎっしり詰まっていました。
これが流出することで
世界規模のスキャンダルと言われるようになりました。
例えば世界の個人名で言うと

個人名中国の習近平国家主席
ロシアのプーチン大統領
サッカーのメッシ選手
香港のジャッキーチェン

日本の企業では
ユニクロ
三菱
伊藤忠
丸紅
ソニー
イオン
コナミ
ロッテ
ドコモ
ソフトバンク

など名だたる有名人、企業が載っています。
アイルランドでは首相の名前が
パナマ文書に載っていることが判明し
辞任にまで追い込まれています。
今後世界のトレンドとしては
租税回避を認めない方向になっていくでしょう。

租税回避分の税収があったらできること

今回のパナマ文書から
タックスヘイブンに流れたお金は
21兆ドルと算定されています。
日本円で2100兆円です。
もう意味がわかりません(笑)
この金額から少なくとも日本から数百兆のお金が海外に流れており、
日本に払うべきだった税金が
企業や富裕層の懐に収まったということです。

もし前述の55兆があれば以下の実現が可能と指摘されています。

・小、中、高校、大学の教育費無償化(2兆8000億)
・消費税撤廃(17兆)
・所得税撤廃(16兆)

保育園の増設や介護師の待遇改善なども余裕でできますね。

日本でも大問題になった?

なってません。報道されはしましたが
ほとんどが海外でのニュースという
スタンス取っていました。
それはなぜなのか。

パナマ文書
答えは簡単で
スポンサーとなる日本の企業の名前が
たくさん載っているからです。
TVはスポンサーによって成り立っています。
スポンサーの意向に沿わない内容は
放送できないのは当然です。
じゃあ国営のNHKは?となりますが
実はNHKの関連企業もリストに載っていました。
わざわざ批判になることを積極的に報道しないですよね。
さらに政府も「適正に対処する」と回答していますが
名簿に元国会議員の名前も載っていることもあり
調査をしない方針を明らかにしたりと
消極的な対応になっています。
ということで日本では海外の問題として取り上げられ
日本人に真相を知られることなく
ひっそりと話題として消えていきました。

まとめ

前回の日本の借金についてもそうですが
メディアや国家によって作られたイメージに
いかにコントロールされているかがわかると思います。
幸い今はネット社会で探せばいくらでも情報が得られます。
情報を読み取る力が高ければ
正確に時代を読み解くことができますし
そうでなければずっと騙され続けられることになる
ということを理解していただければと思います。

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