20160829日本経済新聞朝刊 4社に1社、公的マネーが筆頭株主 東証1部

市場機能低下も

20160829「公的マネー」による日本株保有が急拡大している。

日本経済新聞社が試算したところ、

公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)と

日銀を合わせた公的マネーが、

東証1部上場企業の4社に1社の

実質的な筆頭株主となっていることが分かった。

株価を下支えする効果は大きい半面、

業績など経営状況に応じて

企業を選別する市場機能が低下する懸念がある。

解説

公的機関による株の保有率が高まっているという内容です。
東証一部の会社の4分の1がこの公的マネーが筆頭株主になっている
状況は世界的に見ても珍しく、市場の流動性を考えると
健全ではないと言えるかもしれません。
ただここまで公的マネーが株式市場に流れているのには
日本独特の理由があります。

国民年金って知ってますか?

「当然でしょ」と回答が返ってきそうですが
本当の意味で知っている人は意外と少ないと思います。
簡単に定義を説明します。年金とは保険の一種です。
現役時代に保険料を支払い、その保険料を原資として
将来の一定期間受け取るというのが基本です。
厚生年金などの公的年金や
サラリーマンが会社独自の保険にはいる企業年金などもあります。
これを読んでいる多くの方が公的年金に加入していると思います。
というか一応加入することが義務になっています。

この年金ですが
みなさん現役世代の保険料が
受給資格のある高齢者世代に
間接的に払われる形になっています。
この間接的という表現の部分が今回の
公的マネーの話とつながっていきます。

年金は投資

定義の通り年金は
保険料を原資として将来リターンを受け取るという性質から
投資と近い感覚になります。
これを国民の義務としているので
国民全員が国に提示された
投資銘柄を強制的に買わされているといえますね。
しかし制度開始当初は少子化を予見することはできず
更に国は成長し続けると考えていたため
制度自体成り立つと考えられていました。

蓋をあけるとみなさんご存知の現状です。
高齢者の数が現役世代に対して圧倒的に多く
後から加入すればするほど損をする仕組みになってしまっています。
投資の性質を持ちながら、将来損するのがわかっているのに
強制的に加入させる制度という言い方をすればなかなか凶悪です。
一応大義名分として
日本の石杖を築いた高齢者世代を現役世代が支えるのは当然だという
道徳観念を持ちだしていますが
冷静に考えるとそれを子どもや孫の世代に押し付けるのは
高齢者世代が思いやりがないともいえます。

年金は運用される

そんな年金ですが
実は市場で運用されています。
つまりみなさんの保険料はいったん管理する組織に集められ
市場で運用した後、受け取り世代に渡るという流れになっています。
これが日本の公的マネーが市場に流れている理由です。
年金を管理運用しているのが
独立行政法人の
年金積立管理運用独立行政法人(GPIF)です。
前述のとおり、年金は強制的に加入されるため
その運用されている保険料は膨大な額にのぼります。
運用資産額としては約135兆円ほどです。
…ほんとにすごい額ですね(笑)
それだけの大きい額だと市場に与える影響を大きく
記事にある東証一部の会社4の分の1の筆頭株式になっているというのも
納得できると思います。
ただこの状況が続くと市場の流動性という部分では
健全ではなく、企業の努力ではなく公的機関の思惑で
市場が動く状況が生まれてしまいます。
そうならないように注意していきましょうって話ですね。

運用実績

ちなみに平成27年度の運用状況は
収益額が-5兆3098億と発表されています。
プラスではなくマイナスです。
もともと額が大き過ぎるので
市場で売買するだけで相場が大きく動き
通常の投資とは感覚がことなります。
さらに運用方針を決めているのは
いわゆる投資のプロとは言えないお役所気質な
人なのでうまく運用出来ていないという指摘もあります。
制度としての欠陥を抱えているのに
運用面でもあまりうまくいっていないという状況では
目も当てられません。
でもGPIFが5兆円の損失を出したという情報があっても
一般の人には届きにくく
また年金自体が給料天引きになるケースが多いので
関心を持っている人はもともと少ないので
ある意味やりたい放題できる制度になっているともいえます。

年金制度に賛成の人

それでも年金の必要性はあると考える人もいます。
それは誰か。もちろん受給世代の高齢者の方々です。
もし制度を廃止すると自分が積み立ててきたお金が
無駄になってしまいます。
また定年退職していて
貯金もない方は年金が生活の基本になっています。
それを簡単に手放せるのかって話です。
さらにその世代は圧倒的な人数がいます。
それは政治的な力を持っていることを意味します。
つまり年金制度を続けてほしい世代が
選挙での票をもっているといえるので
なかなか大胆な改革をすすめることは
難しいということですね。

今回はこの記事をきっかけに
年金という制度に少しでも興味を持ち
考えていただければと思います。

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